『自分には自分だけの体があったのかと、まだうわうわしている体に触れながら、私は感心した。』110頁
結婚をした、転勤した、様々な出合いが自分をつくっているということは、使いふるされて久しい考え方になっている。
果たして、本当にその「造られた自分」は、本当のところ「自分」なのかは未だに判らずにいるし、むしろ考えたくなくなってきている。
主人公は、主婦であり、「夫」にどこか似てきてしまっていることの違和感に気づき、影響を与える「夫」を本来の姿に変えることで決別を果すのだけれど、影響を与える事物を取り除いて見えてくる「自分らしさ」ってなんやろう、と怖くなる。
何物にも囚われない自分、その体は果たして人間らしいだろうか。
っていうか、もはや人の間に生きていないのやから、人間ではないんやろうなあ。
ウーン、「わたし」って誰なんやろう。
結婚をした、転勤した、様々な出合いが自分をつくっているということは、使いふるされて久しい考え方になっている。
果たして、本当にその「造られた自分」は、本当のところ「自分」なのかは未だに判らずにいるし、むしろ考えたくなくなってきている。
主人公は、主婦であり、「夫」にどこか似てきてしまっていることの違和感に気づき、影響を与える「夫」を本来の姿に変えることで決別を果すのだけれど、影響を与える事物を取り除いて見えてくる「自分らしさ」ってなんやろう、と怖くなる。
何物にも囚われない自分、その体は果たして人間らしいだろうか。
っていうか、もはや人の間に生きていないのやから、人間ではないんやろうなあ。
ウーン、「わたし」って誰なんやろう。